個人賞
稚内信用金庫(北海道): 田所 彩 氏
北留萌消防組合 天塩町消防団 班長
田所氏は、以前より天塩(てしお)町内で活躍していた女性消防団に入団したいと思っていたところ、後に北海道消防協会副会長を務めた当時の団長に声をかけてもらい、2011年4月に北留萌消防組合天塩町消防団に入団した。同消防団が、留萌・宗谷地方で初となる女性団員の受け入れを始めたのは1991年で、4人体制での発足であった。現在は8人で活動している。
女性団員の活動内容は多岐にわたる。災害発生時には支署にて電話による問い合わせに対応。また、各種訓練・演習・講習(放水訓練、救命講習、呼吸器着装、濃煙体験など)のほか、新年出初式での司会や表彰式などの補助、災害時に備えたガス炊飯器による炊き出し訓練など非常招集訓練を行う。さらに、「火の用心」の呼びかけ、一人暮らしの高齢者の自宅を訪問してストーブ・ガスや排気筒などの火の回りを査察する一般家庭査察など幅広い領域で活動している。
田所氏は、2022年4月に班長に任命され、女性団員を牽引する役割を担っている。2017年の特別功労章をはじめ、2018年と2019年の優良団員表彰、2021年に勤労章、2022年に永年勤続表彰を受けている。2024年には第26回北留萌消防組合技能訓練大会の各種器具ロープ結索訓練に女性団員として初出場して第3位に輝くなど、高評価を得ている。
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毎年5月の防火歩行パレード。女性団員皆で「火の用心」を呼びかける

飯田信用金庫(長野県): 河合 圭 氏
ラグビー指導による地域貢献活動
河合氏は、1997年飯田信用金庫に入庫と同時に、小中学生時代に在籍した「上郷(かみさと)ラグビースクール(以下「上郷RS」)」で指導を開始。2014年にはスクール校長に就任し、現在は幼児から小学6年生までの男女約70人の指導や30人いる指導者の管理など、スクール全体のマネジメントを行っている。
上郷RSは1982年創立で、対象は長野県飯田下伊那地域。OBには現在リーグワンで活躍する選手や日本代表経験者もいる。コーチ陣は河合氏も含めて無報酬の完全ボランティア。現在の指導者はスクールOBが多く、その組織体制が全国でも注目されている。活動は、毎週土曜日に3時間の通常練習のほかに、高学年を対象に水曜日、日曜日の練習も行っている。休日には県外チームとの対外試合も積極的に行っていて、河合氏はプライベートの時間をラグビーに費やしている。
その活動が認められ河合氏は2020年に、同金庫独自の制度で、業務とは別に地域に貢献した職員をたたえる「SPARC(スパーク)」の最優秀賞を受賞している。スクールで得た経験や人脈を業務に生かしていることも評価された。
スクールとしてのモットーを「勝つことは目標であるが目的ではない。楽しいラグビーと仲間づくりを目指そう!」と語る河合氏が指導に携わった卒業生は300人超。地域の子どもの健全育成、ミニラグビー発展に貢献している。
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上郷ラグビースクールの仲間たち
豊川信用金庫(愛知県): 森田 孝徳 氏
地域資源「梅」を活用した地域づくり
森田氏の実家がある愛知県新城市東門谷(ひがしかどや)集落は4世帯6人が生活しており、少子高齢化で集落はまさに消滅の危機に瀕している。森田氏は、地域資源を活用したイベントを通じ、地域外からの関係人口を増加させる地域おこし活動を開始しようと住民に提起。2015年、住民と地区外サポーターでつくる「ひがしかどや明日みらい研究会」(以下「研究会」)を設立し事務局長に就任した。2024年9月からは会長の任に就いている。
研究会発足後、森田氏は集落の稲作の活性化と付加価値増を目指し、集落内稲作農家にブランド米「うぶさと村のミネアサヒ」の生産を企画、提案。2016年から生産を開始した(2018年で集落内での生産を終了)。
同じく2016年から「ひがしかどやのうめがり」事業を開始。これは、生産者の高齢化や担い手不足で、実っても収穫・出荷されずに落ちるだけとなっていた梅の実を貴重な地域資源として活用し、参加者が梅狩り体験や梅酒の試飲などを楽しむイベント。コロナ禍で中止とした1年を除き、これまでに8回開催している。参加者は年々増加し、2024年は県内外から約100人が参加した。
限界集落化は止まらないが、年々着実に関係人口は増加していて、森田氏は今後もこの取り組みを継続していきたいと考えている。
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南高梅などの品種を無農薬無施肥で栽培。
子供も手を伸ばせば手が届き、家族連れに人気

