Face to Face賞
岐阜信用金庫(岐阜県) 誰も取り残さない!学びの多様化学校支援
岐阜信用金庫は2021年2月、岐阜市立草潤(そうじゅん)中学校(以下「草潤中」)の開校理念に賛同し、信金中央金庫が創立70周年事業として行った企業版ふるさと納税を活用して岐阜市を推薦、1千万円を寄付した。
草潤中は、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成する「学びの多様化学校」として2021年4月に「ありのままの君を受け入れる新たな形」を教育目標として開校。当初の予想を上回る入学希望があり、他自治体から引っ越して入学する事例も多数あった。
同金庫は初年度(2021年度)から学校運営方針を検討する「岐阜市立草潤中学校学校運営協議会」に参画。草潤中、自治会連合会、岐阜大学、保護者らと教育目標実現のためのカリキュラム作成など連携を図った。
2022年、生徒に希望する教室(カリキュラム)のアンケートを実施したところ、「イラスト・アニメ」に関する要望が最も多かったことから、同金庫は市近郊在住のプロのイラストレーターグループ「岐阜新文化会」メンバーを定期的に派遣。さらに、校舎4階に産学官連携ブース(学校内アトリエ教室)を設置した。このブースは、イラストレーターのサテライトアトリエにもなっていて、生徒が自由にイラスト制作の現場を見学できる環境を整えている。実社会と交わる機会を創出することにより、将来、草潤中の卒業生からアニメーターを輩出するきっかけづくりに役立っている。
また、同じく2022年に校舎2階廊下にイラストレーターによる壁画の設置に着手。生徒の興味を引く仕掛けにすることで、出席率の向上に貢献している。このほか、①金融リテラシー教育プログラム「ぎふしんマネーエデュ」の実施、②プロ奏者によるバイオリン教室の開催、③草潤中学校サポーターズへの公益財団法人ぎふしん記念財団からの助成(年30万円)、④「子育て支援型私募債」の発行手数料(0.1%相当137万円〈2025年4月時点〉)を備品代として草潤中以外の校内フリースペースへ寄付など活動の幅を広げ手厚い支援を展開している。
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コロナ禍で当初計画していた金融教育を断念し、同金庫の支援により
プロのイラストレーターを講師に招き、生徒はイラストの描き方を学んだ
西尾信用金庫(愛知県) 若年層の成長段階に応じた金融経済教育
西尾信用金庫は、持続可能な社会の形成には「次世代を担う人づくり」が重要だという認識のもと、地域金融機関の使命を踏まえ、若年層のライフステージに応じた金融経済教育に取り組んでいる。
小中学生に向けた活動では、基礎となる学力と金融知識の定着を分かりやすく発信する。2008年から2019年にかけて、愛知県西尾市(以下「市」)内の全26小学校(受講者1,755人)で金融出張授業を開催。同金庫職員が学校に出向き、お金の役割や経済の仕組みについて授業を行った。2011年からは夏休み期間中に親子でお金のことを学ぶ講座「にししん夏休み親子金融教室」をスタート。プログラムは職員がすべて企画し、これまでに、小学4~6年生の親子延べ891組1,879人が参加した。このほか、小学校の授業で使用する金融副教材を独自に製作して県内小学校へ寄贈したり、図書館で借りた本の履歴を預金通帳のように記帳できる「読書通帳」を製作し、市内の小学生等に配布する活動を継続的に実施している。同通帳導入後の市内15歳以下の貸出冊数は約2倍にまで増加した。
高校生に向けた金融経済教育として、2016~2018年、愛知総合工科高等学校専攻科の学生に同金庫職員が講師を務めた「にししんものづくり人財養成課程」を開催。延べ106人の生徒が、SWOT分析、地域経済の仕組み、ものづくり企業の役割、財務会計の仕組み等を学んだ。また、2022年の成年年齢の20歳から18歳への引き下げ、高校での金融経済教育の必修化を受けて、消費契約と資産形成を学ぶ金融出張授業を市内にある鶴城丘高等学校でスタート。その後、複数の高校でも開催し、現時点で3,290人に向けて講義を行った。
大学生が対象の地域経済教育では、産学連携協定を締結する中京大学経済学部の学生に向けて、RESASで地域経済を分析した後、実際に同金庫取引先等を視察し、仮説検証に取り組んだ「RESAS活用研修」等を開催している。
さらに同金庫では、国際的な金融教育啓発活動「Global Money Week(グローバル マネー ウィーク)」に全国の信用金庫で唯一賛同し、その活動を世界に情報発信する取り組みも先駆的に行っている。
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夏休み親子教室で参加の小学生が同金庫の制服を着用し窓口業務を体験
熊本信用金庫(熊本県) 体験イベント開催で地元企業の魅力発信
熊本信用金庫は「地域に人財を残すこと」「中心商店街を活性化すること」を目的として、次世代を担う子どもたちにお仕事体験を通して、信用金庫の日々の業務内容や取り組みを分かりやすく知ってもらうとともに、地元に多くの光り輝く企業があることを知ってもらう機会を創出するために2017年10月から小学生を対象にこどもおしごと体験イベント「グッジョブ!やるキッズ!」を開催している。コロナ禍で2020~2022年は中止したが、2023年に復活開催し、2024年で5回目の開催となった。
本活動では、まず熊本市内の小学校92校に開催のチラシを配布。チラシに記載されたQRコードより申し込んだ応募者の中から抽選で参加者を選び、1クール90分で計4クール実施した。同金庫も含め毎回20社前後の企業が10~20分のお仕事体験を企画しており、子どもたちは4~6個お仕事を体験できる。
お仕事体験後には子どもたちに給与明細を配布。「模擬通帳への入出金」「お菓子交換」も体験することで「働いて得た給与が金融機関に振り込まれ、それを払い出して物(お菓子)を買う」というお金の流れも疑似体験する。会場内には未就学児用の「キッズスペース」を設置して、第5回目からは、ぬりえ(おしごと)を体験した未就学児にも給料としてGON(読み方は「ゴン」。イベント内で流通する仮想通貨)を配布しお菓子と交換できるようにした。
第5回のアンケートでは、「子どもたちが多様な仕事に触れる機会となり、働いて賃金をもらい経済活動をする疑似体験もでき、貴重な機会となった」「実際の職業の方と一緒に職業体験できる貴重な体験だった」など回答者の91%から満足以上の評価を得た。出展企業からは「子どもたちから元気をもらえた」との声が上がっている。
本活動は、第1回から熊本市教育委員会、熊本市子ども会育成協議会、熊本市PTA協議会の後援を受け、国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金助成活動」から100万円の助成を受けている(「くまもと中小企業魅力発信委員会」名義で申請)。また、地元の熊本日日新聞や熊本県民放全4社の取材を受け、イベントの様子が記事として掲載されたり、放映されたりするなど回を追うごとに注目度が高まっている。
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信用金庫ブースで札勘や1億円の重さを体験する参加者と職員


