会長賞
東京東信用金庫(東京都) 「ものづくり」を元気に スミファへの参画
東京東信用金庫の本店がある東京都墨田区(以下「区」)は東京23区で屈指の「ものづくりのまち」として知られ、多種多様な業種がバランスよく集積している。ただ、工場数は全盛期の約4分の1に減少し、今後さらなる減少が予想される。区の「ものづくり」を元気にしたいという思いから、「すみだファクトリーめぐり」(以下「スミファ」)は2012年度から始まり、年1回毎年11月頃の週末2日間で開催。当日は工場を開放し、工場見学、ワークショップ、物販を行うほか、イベントとしてスタンプラリーやコンダクターによるツアーなどを実施している。
スミファは、区の町工場を巡り職人と話し技術に触れ、ものが作られていく「現場」を肌で感じることができるオープンファクトリーイベント。2024年度で12回目を数え、今では全国から多くの人々が視察に訪れるほど有名なイベントとして認知されるようになった。
同金庫は当初よりスミファに参画し、協賛やイベントの周知等広報関係を中心に協力してきた。第11回(2022年度)から実行委員として活動し、第11回終了後からは同金庫 常勤理事 湯浅 博氏が副実行委員長に就任、スミファの企画・運営を中心となって担うことになり、2023年度の開催を見送り、過去を振り返り課題の洗い出しと見直しを行った。
新体制での同金庫の役割は、①イベントの全体の企画・運営、②実行委員会議の企画・運営、③参加事業者の募集、調整、④参加事業者会議の企画・運営、⑤各種広報物(ホームページ、チラシ、パンフレット)の作成、⑥スミファを盛り上げるためのイベント(ツアー、スタンプラリーなど)の企画・運営、⑦関係各所(関東経済産業局など)への後援や協力依頼、⑧跡見学園女子大学生と連携してSNSを活用した広報活動である。
第12回は、全国から約4千人(速報値)が参加し、区の多様な産業や参加事業者の技術・製品を日本中の方々が広く知る機会を提供できた。また、自治体と参加事業者の双方を深く知る信用金庫が仲介機能を発揮し、地域全体を盛り上げる役割を担うことで、自治体×事業者×信用金庫の新たな連携のモデルケースを構築することができた。