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個人賞

青木信用金庫(埼玉県): 大倉 静江 氏

地域の方々を癒す「コスモス畑」の整備

 大倉氏は2009年、ご自宅の近所の方がコスモスをたくさん咲かせているのに触発され、分けていただいた種を自身の畑にまいて育成。秋には一面に開花させるまでになった。
 以来、毎年、冬に種子を集めては盛夏のなかで種まき作業を行うことを続けてきた。そして季節が秋になると満開の花が風に揺られ、通りがかる人々の目を楽しませるようになった。近所だけではなく、遠くからバスで訪れる方々もいるという。「一摘み、どうぞ」との看板も設置し、希望者にお持ち帰りいただいてもいる。
 メッセージを記した看板を立てると、来訪者からの感謝の言葉も寄せられ、コスモスを通じたコミュニケーションの輪が広がり、「住みよいふるさとづくり」に貢献している。こうした活動が評価され、2022年11月14日に開催された「県民の日記念式典」で、「彩の国コミュニティ協議会」(会長=大野元裕埼玉県知事)より「シラコバト賞」が授与された。
 近年は、8月初旬にコスモスとヒマワリの種を同時にまくことで、夏のヒマワリと秋のコスモスを一緒に咲かせており、昨年はロシアのウクライナ侵攻が一日も早く終わることを願い、ウクライナ国花のヒマワリやキバナコスモスを多めに育て平和の実現を祈っている。

  • 畑一面に咲くキバナコスモス

    畑一面に咲くキバナコスモス

碧海信用金庫(愛知県): 一ノ瀨 將之 氏

宮廷装束と衣紋の伝統継承と普及活動

 一ノ瀨氏は2019(令和元)年、今上天皇の即位の礼のとき、儀式の奉仕者に宮廷装束を着付ける「衣紋者」を務めた。古来の儀式や礼法に通暁しており、十二単に代表される宮廷装束やその着装技術を普及し、次世代ヘと継承する活動を行っている。
 我が国の宮廷装束は今から約1,000年前に生まれたといわれ、今日においても皇室、神社の神事だけではなく、例えば婚礼・七五三など一般の通過儀礼でも用いられている。こうした「世界最古の服飾文化」を着付ける技術(=衣紋)もまた、800年に及ぶ伝統を持っている。
 しかしながら、その認知度は決して高いとはいえない。
 そこで、一ノ瀨氏は伝統の継承活動が必要だと考えるに至り、十二単などの宮廷装束の着装体験や講演を、学校や地域の公共施設などで実施してきた。特に、多感な若い世代への普及に注力し、歴史文化に興味を抱き、平安時代からの服飾文化を身近に感じるきっかけ作りになっている。
 その一方、2013年の伊勢神宮式年遷宮、冒頭に記した即位の礼のほか、同年の大嘗祭で衣紋方を務めるなど、国家的な伝統行事に際して技術奉仕を行い、幅広く活動を続けている。

    
  • 十二単の着装を解説する一ノ瀨氏

    十二単の着装を解説する一ノ瀨氏

コザ信用金庫(沖縄県): 大湾 満 氏

沖縄の伝統芸能の保存伝承と普及発展活動

 大湾氏は、信金マンとして地元経済を支えるかたわら、大湾 三瑠(おおわん みつる)という芸名で、「組踊」や琉球舞踊、琉球歌劇の保存伝承・継承・普及・発展・啓蒙活動に力を注いでいる。
 「組踊」は琉球王国が清国使節を歓待するため、江戸時代中期の1719年に初演された音楽劇。音楽と演技、舞踊、台詞が展開される。その内容は、沖縄の歴史や伝説に基づいたものとなっている。
 「組踊」は、芸術上価値が高いもので、芸能史上でも重要であり、地方的な特色が顕著であるということなどで、1972年に国の重要無形文化財に指定されている。そして2019年、大湾氏はその保持者の認定を受けた。
 大湾氏は沖縄の伝統芸能を継承する一家に生まれ、5歳のときから琉球舞踊を学ぶようになったという。2015、 2020年には、琉球舞踊の独演会「究道無限」を沖縄県浦添市にある「国立劇場おきなわ」で開催し、好評を博している。
 大湾氏が勤務するコザ信用金庫では、毎年作成し広く配布するカレンダーに琉球舞踊の写真を使用している。2022年には、大湾氏が踊る琉球舞踊「高平良万歳(たかでーらまんざい)」の写真が使用された。伝統芸能の芸能人としても信金マンとしても、大湾氏には多くのファンがいる。

  • 創作舞踊「暁節」を舞う大湾氏

    創作舞踊「暁節」を舞う大湾氏

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