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東榮信用金庫(東京都) 創業塾開催及び事業成長への伴走支援

 東榮信用金庫は本店がある東京都葛飾区と提携し、起業を目指す人々の支援を目的とした「かつしか創業塾」を2016年11月に立ち上げた。その後、江戸川区で「とうえい江戸川創業塾」を、江東区で「こうとう創業塾」を立ち上げ、2023年3月末現在で合計225人(男性141人、女性84人)の卒業生を輩出し、このうち132人が創業を果たした。
 開業率は国の目標が10%であるのに対し、創業塾(以下「塾」)では57%超と大幅に上回っている。また、創業後の事業継続率は100%となっている。これらの実績により、全国の信用金庫からの問い合わせも数多く、実際に複数の信金や青色申告会などが視察に訪れている。塾の特徴は手厚い支援にある。創業後も卒業生を訪問し支援を継続。卒業生全体を組織化し、情報交換しやすい体制を整え、当金庫職員が頻繁に卒業生を訪問し、創業に向けたさまざまな悩みに対応している。
 具体的には、①創業に向けた店舗探し、②助成金や補助金の申請、③販路開拓、④売上確保、⑤ホームページ作成などである。また、卒業生同士のネットワークから、タウン誌の発刊や企業のPR動画制作といった、数多くの新たなビジネスも誕生している。さらに、東京新聞や広報かつしか、テレビ局、FMラジオ局を通して卒業生にPRの機会を設けることで売上の増加を支援している。
 また、「トコトンおせっかい付き」と銘打ち、当金庫との取引有無を問わず、起業を目指す人や創業間もない事業者を徹底的に支援し、起業家とともに地域活性化も目指している。
 2022年12月には、地元商業高校に初めて寄付講座を提供。卒業生の女性起業家2人が登壇し、生徒たちに創業の経験談を披露して創業の魅力を伝えるとともに、イメージアップに努めた。なお、当塾卒業生への当金庫の融資額実績(2023年3月末)は、65件、約4億3,700万円となっている。現在、営業エリアである千葉県浦安市での塾の開催を目指している

  • グループ討議では受講生間で活発な意見交換が行われた

    グループ討議では受講生間で活発な意見交換が行われた

愛知信用金庫(愛知県) 認知症の人にやさしいまちづくり

 愛知信用金庫は2017年、当金庫職員が認知症キャラバン・メイト講習を受講し資格を取得後、大学などで認知症サポーター養成講座(以下「講座」)の講師を務めた。これをきっかけに愛知県(以下「県」)の「認知症の人にやさしい企業サポーター養成事業」の作業部会メンバーに選出され、2018年「ONEアクション研修」を完成させ、県高齢福祉課と協働し、県内企業等への普及活動を行っている。
 2021年1月、名古屋市(以下「市」)天白区「認知症の人にもやさしい店や事業所」理解促進事業のワーキンググループに参加。
 2月、「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方について」が全銀協から公表され、認知症を患い認知判断能力が低下した顧客への理解が金融業界全体の課題であると再認識した。
 5月、東海労働金庫から認知症対応の相談を受け、講座を開催。東海労金職員に認知症への理解を浸透させるため、当金庫職員が講師を務めた。
 7月以降順次、市中区の地域包括支援センターと連携し、地域の企業、学校、住民を対象に講座を開催した(信金中央金庫、いちい信用金庫、愛知県信用保証協会、日本政策金融公庫、郵便局、資生堂ジャパン、愛知県立大学、市内図書館で開催)。
 2021年6月、第22回日本認知症ケア学会の取組発表で市中区の企業代表として、2022年11月、認知症の人の生活を深く理解した上でニーズを踏まえた製品・サービスの開発を目指すため、県モデル事業に唯一金融機関としてそれぞれ参加した。
 これらの取り組みは外部機関から高い評価を受けており、2019年2月、全国キャラバン・メイト連絡協議会より「地域の実情を熟知し、自治体との協力基盤をもつ金融機関の挑戦」として優良活動賞を受賞し、11月には、全国防犯CSR推進事務局から講座を活用した特殊詐欺未然防止の取り組みにより、防犯CSR実践企業として表彰されている。

  • 当金庫職員と講座参加者との交流

    当金庫職員と講座参加者との交流

呉信用金庫(広島県) くれしんありがとうの手紙

 呉信用金庫は2007年6月15日の「信用金庫の日」から全国イベントとして開始した「ありがとうの手紙」終了後も、「くれしんありがとうの手紙」として中学生を対象にした当金庫独自イベントに替えて続けてきた。多感な中学生に「ありがとう」という感謝の窓から自分の内と外を眺めてもらう機会になれば、との思いからであった。
 企画趣旨は「あなたが伝えていない、今あなたが一番伝えたい〝ありがとう〟を伝えよう」をテーマに、中学生へ今一番〝ありがとう〟を伝えたい人へ、照れくさくて、言いたいのに言えないで、心の中にしまったままの〝ありがとう〟の気持ちを800字以上1200字以内の手紙にして応募してもらうというもの。応募資格は、呉市、東広島市、三原市、竹原市、江田島市、安芸郡、豊田郡にある中学校の生徒。
 選考は一次、二次、最終選考の3回行い、優秀賞10点、努力賞40点を決定する。優秀賞、努力賞には賞状および記念品を贈呈。表彰式は、優秀賞10人の生徒・教諭および保護者、呉市教育委員会・広島文化学園大学・呉工業高等専門学校の選考委員、当金庫より関係者らが出席し、当金庫本店で行っている。
 また手作りの文集を作成し、優秀賞、努力賞の作品を掲載し、文集は各学校を通じて応募者全員に贈呈するとともに、当金庫の各営業店ロビーにも設置し、閲覧できる。
 応募総数は回を追うごとに増えており、2007年時347点(10校)であった応募総数が、2019年には2,213点(48校)と、12年間で約6倍にもなった。新型コロナウイルス感染予防のため、学校への登校が制限されたこともあり、その後やや応募数は減少したが、2022年には1,643点(35校)もの作品の応募があった。2007年からのべ20,142点もの作品が寄せられている。
 表彰式の内容や優秀賞受賞者の名前は地元新聞などにも掲載され、地域に根付いたイベントとして認知されている。

  • 向井淳滋理事長を中心にした優秀賞受賞者、選考委員との集合写真

    向井淳滋理事長を中心にした優秀賞受賞者、選考委員との集合写真

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